ニュースリリース

容器包装リサイクル法プラスチック製容器包装の再商品化手法に関する要望書を提出しました

産業構造審議会産業技術分科会廃棄物・リサイクル小委員会、容器包装リサイクルワーキンググループ、中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する
小委員会合同会合にオブザーバーとして、弊会の事務局長が参加しています。

別途、上記合同会合に要望書を提出致しました。

【提出参考資料】

◎ 容器包装リサイクル法における燃料化手法(RPF*)の早期実施に向けて

*:日本工業規格(JIS)では、「廃棄物由来の紙,プラスチックなど固形化燃料」と定義。

(= Refuse derived paper and plastics densified fuel)

RPFは、地球温暖化対策、化石燃料代替、社会的総コスト低減、JIS化実施による技術的裏付け等から、
産業界のニーズは極めて高く、プラスチック系廃棄物(プラスチック製容器包装含)の合理的な活用方法として、
容器包装リサイクル法の再商品化手法でも早期実施が強く望まれる。

1.RPFの特徴

再商品化手法としてのRPF

先の改正容器包装リサイクル法で認められた燃料化手法は、付帯条件(緊急避難的、補完的)によって
競争入札では登録申請はされても実施には至っていない。

化石燃料の代替、社会的総コスト低減からも利用価値が高く、且つ環境負荷の面でも評価に値するものである。

参考図表-1は、(財)日本容器包装リサイクル協会の環境負荷等検討委員会が発表した報告書による、
石炭削減効果とCO2削減効果との関係を示したものであるが、RPFの優位性は明白である。

【参考図表-1 (財)日本容器包装リサイクル協会 報告書より抜粋】

【参考図表-1 (財)日本容器包装リサイクル協会 報告書より抜粋】

RPFの利点

RPFは現在、主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な紙くずと廃プラスチックを
原料とした高品位の固形燃料であるが、石炭やコークス等、化石燃料代替として需要が急拡大している。

①品質が安定しており、熱量コントロールが可能、
②ボイラー等燃焼炉における排ガス対策が容易、
③他燃料に比較して経済性がある、
④化石燃料削減に加え、CO2削減等温暖化防止にも寄与する、等々、数々の利点を有する。

【参考図表-2:CO2排出量比較】(出典:日本RPF工業会)

【参考図表-2:CO2排出量比較】(出典:日本RPF工業会)

製紙業界では、こうした利点を有効活用し、化石燃料以外のエネルギー源は約47%に達し、
省資源型新エネボイラー(非化石燃焼ボイラー)が全国に設置されており、近距離輸送が可能である。

【参考図表-3:省資源型新エネボイラー(非化石燃料ボイラー)設置状況】(出典:日本製紙連合会資料)

【参考図表-3:省資源型新エネボイラー(非化石燃料ボイラー)設置状況】出典:日本製紙連合会資料)

RPFの日本工業規格(JIS)

本来、RPFは、RDF(廃棄物固形化燃料)とは原料である廃棄物種類が異なり、廃プラスチック
及び紙くずを主原料にしていることから、RDFに比して高熱量を有し、灰分も少なく、塩素、硫黄などの
有害物質の含有が少なく、自己発熱・可燃性ガス発生などの危険性が少ないなどの特性があり、
製紙業界を始めとして石炭代替燃料としての需要は多い。

RPFのJISは、容リ制度における容リプラの再商品化手法に認められている(但し、実施はされていない)
RPFの品質等級等を規定することによって、品位の安定をはかり、燃料としての信頼性を確立し、
貴重な国産燃料資源として普及する基盤を整えるために制定された(平成22年1月20日付けで公布)。

この規格によるRPFは品種及び等級によって区分され(後掲参考図表-6)、所定の試験後、規定された
分類規則に従い、所定の品種及び等級ごとの品質に適合することが要求される(後掲参考図表-7)。

2.産業界の状況

製紙業界では…

製紙業界では地球温暖化対策として、省エネ対策だけでなく、非化石燃料の利用を2002年頃より
積極的に進め、多くの成果を上げてきている。

製紙業界としてこれまでに取り組んで来た経過と今後の展開について整理すると、概ね以下の通りである。

【参考図表-4 取り組み経過と今後の展開】 (出典:日本製紙連合会)

・これまでの取組み

4000kcal RPF  1990 ~ 苫小牧で利用開始、7 千トン
6000kcal RPF

1993   熊谷で自社内発生紙プラ複合産廃をRPF化 5千トン

2000 ~ 容リ法やゼロエミッションで廃棄物燃料化進展

温暖化対策としてのRPFの本格的活用開始

2002   RPF消費10万トン, 2003 20万トンに到達, 2004 30万トンに到達

2005   40 万トンに到達, 2006 60 万トンに到達, 2007 70万トンに到達

2008   初めてマイナスに

・今後の展開

各社計画の合計値 2012

RPF      76万トン (累計617万トン)

木屑      176万トン

廃タイヤ   44万トン

* 紙ごみはあるが成型とカロリー調整の役割を担う廃プラ不足、廃プラスチックの役割は重要

非化石燃料は、木くず、廃タイヤと並んでRPFを大きな位置付けとしているが、他産業との競合が激化しており、
確保が困難になりつつある。

日本RPF工業会による需要予測は以下の通りである。

【参考図表 – 5:RPFの需要推移と予測】 (出典:日本RPF工業会)

【参考図表 - 5:RPFの需要推移と予測】 (出典:日本RPF工業会)

* 前掲JISに係る付属資料は以下の通りである。

【参考図表 – 6:RPFの品種及び等級】

品種 a) RPF-coke c) RPF d)
等級 b) A B C


a) 品種は、高位発熱量によって区分する。b) 等級は、全塩素分の質量分率(%)によって区分する。c) コークス並みの高位発熱量を持つRPF。

d) 石炭並みの高位発熱量を持つRPF。

【参考図表 – 7:RPFの品質】

品種\等級
RPF-coke
RPF
A B C
高位発熱量 MJ/kg
33以上
25以上 25以上 25以上
水分 質量分率(%)
3以下
5以下 5以下 5以下
灰分 質量分率(%)
5以下
10以下
10以下
10以下
全塩素分 質量分率(%)
0.6以下
0.3以下 0.3を超え0.6以下 0.6を超え2.0以下

以上

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