この度、一般社団法人日本RPF工業会 第8回定時社員総会・臨時理事会において、会長に再任されました、長田和志でございます。
平素より、当工業会の活動にご理解とご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。
また、本年度の総会は、新型コロナウイルスの影響で書面決議となりましたが、皆様のご協力により全議案ご承認いただき、無事新期を迎えられましたこと、心から感謝申し上げます。事業の主軸としておりました外国人技能実習制度の認定も大詰めを迎え、試行試験の認定を受けるところまで進めてまいりました。これもWGはじめ皆様方の惜しみないご協力の賜物と重ねて感謝申し上げます。
さて、私たちの事業は、主に廃プラスチックや紙くず、木くずなどの廃棄物を原料とした、石炭に代わる発電用燃料を製造している訳ですが、その主原料である、廃プラスチックや石炭に関する社会情勢がすさまじい勢いで変化しています。脱プラスチックやプラスチックによる、地球環境汚染問題の解決やバーゼル条約の規制強化に見られるように、中国など外国頼みのリサイクルからの脱却と国内循環体制の構築が急がれております。
また、石炭については、気候変動の元凶である温室効果ガスの排出を抑制するため、世界的に進む脱石炭、すなわち石炭火力発電から再生可能エネルギー発電へのシフトも急速に進んでいます。
私たちの事業で最も重要な三つのファクター、廃プラスチック問題と脱石炭問題、エネルギー問題を解決することにより、世界規模で発生している温暖化による災害、そして海洋汚染や生態系の破壊など、地球規模の環境問題の解決に寄与できると考えています。
新型コロナウイルスの影響もあり、これからの10年、日本国内で発生する廃棄物の種類や量、再生・循環方法などは、社会環境情勢に大きく左右され変化して行くと思われます。私たちは、RPFの製造業者でありながら、入口では廃棄物処理業者であります。これからは、世界が求める変化を見据え、RPFをはじめ環境をリードする様々なリサイクルに取り組んでいかなければなりません。
その様な情勢の中、やはり一番大切にするべきは、地球環境を守ること。温暖化や海洋汚染、あらゆる資源の枯渇を食い止めることを理念とした事業を行う必要があると思います。
このような転機の時こそ、私たちは原点に立ち返り、未来に向けた持続可能な地球環境を取り戻すことを使命と捉え事業活動の方向性を探っていく必要があると思います。
今後、当工業会といたしましては、RPFの品質に関しISOでの国際標準化・規格化を推進し、そして海外での廃棄物問題の解決の一助となれるよう、外国人技能実習制度を活用した高度なリサイクル技術の開発途上地域への移転を促進します。
また、用途開発委員会を強化し、国内の再生可能エネルギーの拡大に努めて参りたいと思います。
最後になりますが、新型コロナウイルスによる逆境のなか、新しい発想で業界の発展、そして会の運営を行ってまいります。会員の皆様にはご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
コロナ禍の終息そして会員の皆様のご繁栄を祈念いたしましてご挨拶といたします。
令和二年八月
一般社団法人 日本RPF工業会
会長 長田 和志