ニュースリリース

年頭所感

令和三年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

関係省庁、関連団体、会員の皆さまには、日頃より当工業会の活動に多大なるご支援、ご尽力をいただき、心より御礼申し上げます。年頭にあたり一言ご挨拶申し上げます。

昨年は、新型コロナウィルスの影響で、すべての活動が停滞し、社会全体が混乱した、あっという間の一年でした。

今年は全世界でワクチン接種が開始されて一日も早く新型コロナ感染が収束し、なによりも楽しみにしている東京五輪が無事に開催されることを願っています。 また、日常生活ではマスクの着用、三密の回避、ソーシャルディスタンス、テレワーク、ステイホームなど新たな生活スタイルを徹底化し、国民全体が新型コロナ禍に打ち勝つ必要があります。

その渦中、新型コロナ感染対策と同様に、地球にとって大変重要な問題、異常気象の原因である「地球温暖化などの気候変動防止対策」も待ったなしで取り組んで行かなければなりません。

日本政府は2050年までに温室効果ガス排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」脱炭素社会の実現を宣言し、法制化も検討されています。車両については、純ガソリン車の販売禁止を国が2030年半ばをめどに、東京都は国の発表より5年前倒しでおこなう方針を示しました。

また、エネルギー政策については、温室効果ガスの排出量が大きい「非効率石炭火力発電のフェードアウト」の指針が発表されました。これは、大規模売電事業者だけでなく、自家発電設備を有している鉄鋼、化学、製紙、セメントなどの事業者にも同様なことが求められています。今後私たちのRPFの納入先である石炭混焼自家発電施設では、石炭の使用量を減らすため、省エネ法で定められている副生物としてRPFの使用量を増し、発電効率を高める取り組みがなされると思われます。

また、新たな発電施設として、バイオマス発電などの石炭火力発電施設以外を検討する動きが増え、石炭と比較してCO2排出量が少ないRPFに関する問い合わせが増えてきております。

私たちはそれらの社会的要望に答え、安定的で品質の良いRPFの供給に努め、その体制をより一層強固なものにしてまいります。

そして、RPFの原料である廃プラスチックなどについては、バーゼル法の省令改正により、本年1月1日からリサイクルに適さない汚れた廃プラスチックの輸出入が規制対象に追加されます。それと同時に中国では、廃プラスチックを含む固形廃棄物の輸入が完全禁止となります。これらにより使用済みプラスチックの国内での適正なリサイクルがより一層求められることになります。

私たちは、ISO化(国際規格化)を通じてSRF(Solid recovered fuel )のひとつとしてRPFの世界的なエネルギー源としての利用価値を高めます。

「プラスチック資源循環戦略会議」にて、リデュースの徹底、効果的・効率的で持続可能なリサイクル、再生素材やバイオプラスチック、代替素材の利用促進、家庭系、事業系のプラスチック類の一括回収などの指針が示されています。 プラスチック資源の円滑な回収・リサイクルの拡大と高度化が求められています。

私たちは、これから利用促進される植物由来や生分解性のプラスチックをRPFの原料とした場合の、燃料としての位置づけや、LCAの観点から見たGHG排出量の検証を行い、その低減を図り、低炭素社会に貢献できる商品づくりに努めてまいります。

今年は、委員会メンバーのご協力により、三年前から取り組んでまいりました、外国人技能実習制度への「RPF製造職種」が省令改定により追加される予定です。 これにより、海外からの実習生を受け入れすることができ、技能実習により習得した技術を活用することにより、実習生の母国でプラスチック資源のリサイクルや新たなエネルギー源の確保に貢献できます。

私たち工業会は、新たに海外事業支援WGを組織し、会員企業の海外展開の一助となるよう活動してまいります。私たちは、誰もが予測できなかった新型コロナウィルス感染拡大により、新しい社会システムを構築しつつあります。

地球環境も同様に、気候変動を防止する活動を、すぐに起こしていかなければ、地球の未来はないと思います。

私たち工業会は、「SDGs」を推進し、政府が掲げた、「2050年カーボンニュートラル」脱炭素社会の構築に向け、廃棄物のさまざまな再資源化を通じ「チャレンジ・ゼロ」に貢献いたします。

本年も業界の発展にご協力を賜りますようお願い申し上げます。

皆様方のますますのご繁栄を祈念するとともに、新型コロナウィルスの一日も早い終息を願いまして、新年のご挨拶といたします。

 

令和三年元旦

一般社団法人 日本RPF工業会

会長  長田 和志

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